医者を目指し、医学部を受験、合格するためには、いつから勉強を始めればよいでしょうか。
学生の多くが同じ疑問を抱いています。
本記事では、時期を軸とした受験対策をご紹介します。
1.医学部受験の勉強開始時期は高校一年生
難易度が高く、合格に苦労する医学部ですが、合格者の現役率はどのぐらいでしょうか。
国公立医学部では、その率は大体四割から六割、私立ではさらに下がり、一割から三割となっています。
現役生が圧倒的不利な状況となっており、浪人生との差異がある一年間の勉強に相当する時間を、どこかで捻出する必要があるのです。
浪人生と比較した場合
仮に浪人生が、一日十時間勉強したとします。
対して、現役生の皆さんは、日々学校に通わなければなりません。
残念ながら、現役生が浪人生と、同じ勉強の時間を確保することは不可能といえます。
したがい、医学部の受験対策開始は、早ければ早いほどよいということになります。
それでは、高校一年生から始める場合、具体的にどのような学習を行っていけばよいでしょうか。
2.高校一年生からの受験勉強
一般的に、医学部受験に必要な科目は、英語、数学、理科二科目となっています。
実際的には、化学は必須のため、理科におけるもう一科目を物理とするか生物とするかは、非常に重要な選択となります。
理科の選択科目は、高校二年生になってから決める場合が多いため、まずは英語、数学、化学に集中することをお勧めします。
もちろん、国公立大学の医学部を目指し、共通テストを受ける場合には、国語や社会も忘れずに力を入れなければなりません。
高校一年生で重視すべきポイント
高校一年生の時期に、医学部受験において重視すべきポイントは、基礎をしっかり固めることと、苦手科目を作らないことです。
イメージとして、どうしても難しい問題が多々出題されると思いがちですが、難解さに目を向ける以前に、苦手科目や範囲ができてしまうことが、医学部を受験する上では命取りになります。
共通テストでは、すべての教科において85%以上の得点率を確保することが必須と考えられています。私立大学の個別試験でも、基本的な問題を解くことができなければ、合格の可能性は著しく低くなります。
苦手分野を得意領域でカバーできるほど、医学部受験は甘くないことを認識しておきましょう。
3.高校二年生での受験勉強
高校二年生になってからは、生物や物理が加わることになります。
この時期から、いよいよ本格的に、受験対策に乗り出そう、意識しようという学生も多いのではないでしょうか。
一年生の時の振り返りをしつつ、不足があれば、早めに補うようにしましょう。
高校一年生までの内容に懸念がある場合
高校入学後の一年間の勉強で、不安がある場合は、基礎部分の見直しや、苦手分野の克服が必要です。
そこでまず、英語と数学に注力するようにしましょう。
理科系の科目と比較し、底力をつけるためには、膨大な勉強量を要求されるためです。
また、医学部では、英語や数学の配点が高いところが多くなっています。
当該二科目は、合格率を高めるというテクニック面でも、習熟必須です。
高校一年生までの内容に不安がない場合
理想的にも、基礎学習に抜け漏れがなく、苦手な分野や範囲がない、となった場合、まずはそれまでの積み重ねを無駄にしないよう、継続的な勉強を心掛けましょう。
また、時間的アドバンテージが得られていますので、高校三年生の内容を先取りすることを推奨します。
予備校などでは、複数年の学習内容を、一年間に凝縮したカリキュラムが提供されています。
ただし、前もって新学年領域に挑戦するからには、どうしても絶対的な勉強時間が増加します。
無理をして、結果として蓄積してきた基礎的な土台が崩れてしまっては本末転倒です。
順番として、あくまで基礎に抜けがなく、苦手科目を作らないことが優先であることを忘れないでください。
高校二年生の冬頃までにやっておきたいこと
高校二年生の冬休み頃には、いくつかの過去問を、実際に解いてみましょう。
大学は、自分の好みで選んでいただいて問題ありません。
現時点で自分の力でどこまで正答を導き出せるのか、課題は何かを知ることで、目標とする学力を把握することが目的です。
模試の結果や偏差値に意識が向きがちですが、最も重視すべきは、最終的に実際の入試問題が解けるか否かです。
高校二年生の冬の時点で、自身の実力を測り、三年生での勉強の計画を正しく設定できるようにしておきましょう。
4.高校三年生での受験対策
三年生に進級すると、受験まで残り一年を切ることになります。
基礎部分に不足はないでしょうか。苦手な分野は克服しているでしょうか。英語や数学の実力は備わっているでしょうか。
二年生までに正しく受験勉強を続けていれば、三年生から本格稼働するような他の学生に、十分差をつけられていると考えてよいでしょう。
しかし、油断は禁物です。ライバルには、浪人生が含まれているからです。
共通テスト対策
国公立医学部を目指す場合、共通テストをクリアしなければなりません。しかしながら、対策としてはシンプルです。
すべての大学受験生が共通で受ける試験ですので、問題が過度に難解であることはありません。全科目において、幅広い基礎力をもって、私権を制限時間内に解き切るスピード感を身につけておきましょう。
私立大学医学部対策
私大医学部を目指す場合は、志望校毎に個別に受験する必要があります。
共通テストと異なり、各校毎に特徴のある問題が出題されます。
したがい、各学校の入試の傾向や特徴を事前に把握し、合格を勝ち取るためには何をするべきか、どの教科、分野で得点を稼いでいくか、といった、具体的かつ詳細な計画を立てることが、対策としては有効です。
私大医学部における志望校対策は、個人では限界があるところです。できればその道のプロに分析を依頼し、共に学習計画を立ててもらいましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。本稿では、医学部を受験するにあたり、いつから始めればよいか、各々の時期に何を意識し対策を取ればよいか、解説してまいりました。
前述の通り、勉強開始は、早いに越したことはありません。高校一年生からスタートし、二年生では基礎力向上と苦手分野の克服、及び可能な限り先取学習を始められる環境整備に注力しましょう。
三年生では、具体的な志望校対策が、合否を分けるといっても過言ではありません。
かといって、その複雑さから、自分一人では限界があるのも事実です。ぜひその道のプロに、受験対策を依頼してみてください。
間違った手法で勉強しても、結果がついて来ず、精神的に厳しい時期が続きます。正しい方法に基づいた受験対策は、きっとよい結果を導いてくれるでしょう。