医学部受験コラム

医学部に合格のために効果的な勉強方法

こちらのコラムでは、医学部受験で合格を勝ち取るため、医学部入学を妨げている背景と共に狭き門を突破するための勉強法と対策をご紹介します。

他の学部と比較すると、医学部が難関であることは間違いありません。強豪精鋭が集い、競争が激しい受験となりますので、時には不合格という辛苦を味わいます。しかし、事実を正しく理解しないと、結果として誤った勉強法、受験対策を取ってしまうことに繋がります。

まずは本コンテンツをお読みいただき、自身の認識が正しいか、誤解が含まれていないかを検証してください。自分の立ち位置を正確に把握することを前提に、医学部に合格するための学習手法、計画立案について解説してまいります。

■医学部受験対策と入試の現実

何事も、まずは現実を直視するところから始まります。医学部を目指す受験生や保護者の方々が、受験対策や勉強法を選ぶ前に、事前に知っておくべきことを以下、記載します。まずはご一読ください。

1.受験界における医学部合格指導や勉強法の怪

医学部入学を目指す皆さんは、合格のための様々な指導や勉強の仕方が気になるところです。しかし、この時点で、すでに合否を分ける岐路に立っています。最初に当該事実を明確に認識しておきましょう。

キャッチコピーとして、人の目を惹く文言がよく見受けられます。医学部に合格させます、合格する勉強法をお伝えします、といった類のものです。しかしながら、医学部に入学できるような受験生は、これらの言葉に疑問を抱き、違和感を覚えます。

安易に語られるあらゆる宣伝文句、また、国公立の医学部に受かるだけの実力やバックグラウンドがない中で、受験対策をうたっている様は、皆さんの目にどのように映っているでしょうか。

疑わしい思いを胸に抱きながらも、つい誘惑に駆られて流されてしまうと、後悔することになります。一度立ち止まって、本当に指導する実力があるのか、述べられていることの信憑性は高いのか、冷静に分析することが大切です。

受験の世界では、医学部関連の対策や勉強の方法が語られることが、非常に多くなっています。というのも、受験生の関心が高く、一程度のニーズがあり、訴求するだけの価値がある、と判断されているからです。

他方、実際のところは、医学部は長きに渡り狭き門であり、入学を志す者にとって、難易度が高い状態が続いています。簡単に説明できるものではなく、多くの受験生が苦労しているところです。

合格するための手法を、本当の意味で語れるのは、自分自身が結果を残した者、具体的には、大学の医学部入試を突破した人だけです。限られた人たちのみが教えられるぐらい、高い壁が存在しているということです。

ビジネスとして考えたときには、受験生に教材や講習の費用を払ってもらえればよく、根本的な責任は生じません。自分が合格もしておらず、結果も残せず指導の実力もない中で、医学部受験を語ることに対し、受験生は憤ってもよいぐらいです。

医学部を目指す場合は、まずこの信頼性という点において、十分な対策を取りましょう。

受験を取り巻く環境の中では、無暗に広告宣伝を打ち、顧客である受験生を取り込もうとする動きがあります。これらの情報提供者は、自身の結果が伴っているか、俯瞰した目で見てください。経験則がない限り、自分の合格との因果関係は望めません。

どこかの学習塾や予備校が、受験生を多く集めれば、その中には元々優秀な人が含まれており、合格者の絶対数も増えることになります。しかしこれは、数の力のからくりであり、指導力と合格率の間に相関関係があるとは限らないのです。

医学部は難関です。指導者側に試験に受かったという実績がなければ、的確な対策や勉強法伝授など、到底出来ないとお考えください。難易度が高い大学の学部に挑戦することに対し、合格という経験がない中で、受験対策を指導できるわけがない、ということをご理解ください。

このような謎の論理が破綻していることに、すでにお気付きいただけたかと思います。皆さんの積み重ねた努力、費やした労力を決して無駄にすることなく、医学部合格という夢を壊されないよう、しっかりと認識していただければ幸いです。

■医学部入試突破のポイント

全科目バランスよく勉強する

国公立大学の受験には、共通テストを受ける必要があります。共通テストでは、国語、地理・歴史・公民、数学、理科、外国語の試験が実施されるため、全ての科目を均衡良く学習することが求められます。

誰もが得意な科目と苦手な科目を持っているのは自然です。しかし、好きな科目にばかり集中して学習を進めると、後で苦手な科目を克服するための時間や精神的余裕がなくなることがあります。そのため、全科目でバランス良く点数を獲得できるように学習することが大切です。合否は全科目の合計点で決まるため、得点が低い苦手な科目が残ると、それが大きな弱点になる可能性があります。

基礎対策を万全にし、共通テストへ

共通テストで出題される問題は、比較的基礎ができている、あるいは覚えていれば解ける問題が多いです。ですから、どの科目も基礎をしっかりと勉強することが大切となります。基礎的だから及第点を取りやすいわけではなく、逆に合格のボーダーラインが非常に高いところにあるので、点を落とすことができないと言えます。共通テストでの合格ラインは低くても80%、高い学校では93%ほどと言われています。足切り点が設定されていて、その点数に達していなければ2次試験を受けられないので注意が必要です。共通テストの過去問で常に90%以上できているぐらいの高いレベルを目指すと良いでしょう。

また、私大医学部受験を目指す場合にも基礎が重要であることには変わりありません。私大の場合には学校ごとに傾向が異なるものの、より難問が出題される場合もあります。自分の志望校が私大であったとしても、はじめに難問を解こうとするのは得策ではありません。難しい問題でも基礎がなくては解くのは難しくなります。英語で言えば、単語を知らなければ文章は理解できませんし、数学ならば公式や定理をきちんと覚えていなければ正しく解答することは難しいということです。

志望校独自の特徴や過去問を対策

基礎学習が一通り終わった後、過去問題の練習が非常に重要になります。旧センター試験の過去問や、私立大学志望者の場合は志望校の過去問を解くことで、共通テストや各私立大学の出題傾向を把握することができます。特に医学部試験では、各大学独自の特徴が顕著に現れる問題が多いため、傾向を理解することが重要です。

また、過去問題を繰り返し解くことで、「このタイプの問題にはこの解法や考え方を適用する」ということを確実に身につけましょう。共通テストでは問題数が多いため、1問1問時間をかけて考えるよりも、ある程度自動的に問題を解く能力が求められます。過去問の練習は、そのためのトレーニングにもなります。

ただし、単にたくさんの過去問を解くだけでは十分ではありません。1回解いた後、誤った箇所を確認し理解を深め、次回は正確に解けるように徐々に満点に近づく姿勢が大切です。

各科目の勉強方法

先ほどは、各科目をバランス良く勉強することが重要であるという点を説明しました。ここでは、特に国公立大学の二次試験で重要な科目に焦点を当てて説明します。これからの時代に必要なグローバルな人材が持つべきスキルとして英語が重視されており、また、医学部受験生にとって得意とする人が多い数学、さらに理科では選択されることが多い化学と物理について、具体的な勉強方法を紹介します。

英語

「長文読解が苦手」というのは、英語学習者にとってよくある悩みです。長文読解の問題集に一生懸命取り組んでいても、なかなか成果が出ない人がたくさんいるでしょう。この問題の原因の1つは、語彙力が不足していることです。そのため、英語の長文を読めるようにするには、まず単語や熟語、イディオムを覚え、その後英文法を学ぶことが重要です。早い段階で語彙力を向上させれば、長文読解の練習に費やす時間が長くなりますし、語彙の習得が非常に重要になります。また、文法は問題として出題されるだけでなく、構文を覚えておかないと長文読解で苦労するため、これもきちんと学習しましょう。

医学部受験だけでなく、英語力を向上させるために効果的とされている方法は、英語を聞いて真似しながら発音する「シャドウイング」です。CDなどを使ってぜひ試してみましょう。

数学

「医学部受験は、理系の中でも最も難しいとされており、数学が得意な理系の学生が多く挑戦します。数学においても、英語と同様にまず基本を確実に理解することが重要です。公式や定理などの本質と理屈を把握し、しっかりと覚えることが求められます。単に暗記するだけでは、適切に活用することは難しくなりますが、理屈が分かっていれば応用力が身につくでしょう。

次に、公式や定理を使って問題を解く方法を学んでいくことが大切です。解法にはパターンが存在するため、多くの問題を解くことで、どのような状況でどの解法を適用するかがすぐにわかるようになりましょう。

化学

受験科目の理科では、通常、化学、物理、生物の中から1つあるいは2つを選択することが一般的です。中でも化学は、スコアリングしやすい科目と言われています。確かに多くの暗記が必要ですが、そのおかげで解答可能な問題が増えます。計算問題も提出されますが、対象範囲が限られているため、適切な準備ができます。

化学の計算問題が得意でない場合でも、方法が決まっているので、反復練習で改善が見込めます。ます最初に、自分に適した参考書や問題集を1冊選び、全範囲をカバーしましょう。学ぶべき部分をマスターし、全ての問題に対処できるようになるまで練習を続けます。その後、過去問を解いて繰り返し演習を行い、問題の傾向を理解しつつ、知識の定着を図ります。

物理

理科で物理を選ぶ学生の中には、数学が得意な人が多いでしょう。一方で、数学が苦手な人は物理を選択するのはおすすめしません。その理由は、物理では数学のように根本的な理解が重要であり、単なる暗記では対策が困難だからです。計算速度も要求されるため、数学が苦手な人は、知識の記憶や問題文の読解力が重視される生物を選ぶのが良いでしょう。

物理の勉強方法は、化学と似ています。まずは1冊の参考書を選び、その内容をしっかりと習得します。志望校の物理試験が難易度が高い場合は、応用問題にも対応できる問題集や過去問題を利用して、練習を重ねることが大切です。